気のおけない仲間とお寿司屋さんのカウンター席に座っていると、隣のお客さんと大将の掛け合いが聞こえてきました。
お客「白身、握ってください。」
大将「白身、何握りましょう。」
ネタケース内を何往復も見回したあとに、
お客「どれが赤身で、どれが白身?これは?」
…と、小さな声でぶつぶつ言っていたので、思わずでしゃばって説明してしまいました。
(画像はイメージです)
赤身は、ブリ、カツオ、マグロ、イワシなど、身肉が赤褐色の回遊魚のことです。
白身は、マダイ、クロダイ、ホウボウ、ミシマオコゼ、シロギス、カレイなど、身肉が白色の根魚のことです。
赤身(回遊魚)は長い距離を回遊するために、エラ呼吸で得た酸素を身体中に行き渡らせる色素たんぱく質を多く持っています。
色素たんぱく質のヘモグロビンなどが赤褐色のため、身肉が赤くなります。
逆に、白身は色素たんぱく質が少ないので身が白くなります。
…と、ここまで話したところで合点がいったと言う顔だったんですが、続けて「青魚って何ですか。」とおかわりの質問がきた。
(画像はイメージです)
ほとんどが赤身(回遊魚)と一緒なんですが、見てくれは空中からの敵に対して海と同化するために背中が青く、水中からの敵には空に同化するために腹が白い魚のことです。
…と、ここまで話している間に連れも暇をもて余しているようなので、お会計をして2軒目に向かうことにしました。
私達がお会計を終えたあと、そのお客さんが大将に「今日は勉強になったなー。これで俺もりっぱなサカナくんだー。」と、サーモンの握りを片手に満足の表情を浮かべていたので、帰りがけにお客さんの耳元で一言囁いて帰りました。
後ろ手で閉めたドアの向こうから、「エーーー」と大きな声が聞こえました。
今日もご馳走さまでした。
…
……
あっ、最後の一言いい忘れていました。
最後の一言はこうでした。
「先ほど赤身だと頼んだサーモン。サーモンは白身ですよ。」
(画像はイメージです)
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